ガレージハウスは固定資産税が高くなる？

ガレージハウスは「愛車を身近に感じられる」「帰宅後の動線が便利」というメリットから、人気を集めているスタイルです。しかし、「普通の家より固定資産税が高くなるのでは？」と心配している方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、ガレージハウスの固定資産税について、その計算方法や評価の仕組み、特有のポイントを分かりやすく解説します。ガレージハウスを検討している方は、ぜひご覧ください。

固定資産税はどう決まる？計算方法と評価の仕組み

ガレージハウスに限らず、不動産を所有すると、年単位で課税されるのが固定資産税です。その税額がどのように決まるのか、基本的な仕組みを理解しておきましょう。

ここでは、固定資産税の計算式、税額の基礎となる課税標準額、そしてその基になる固定資産税評価額の算出方法について、順を追って解説します。不動産を所有するうえで、固定資産税は切っても切れない存在であるため、しっかりと理解しておきましょう。

固定資産税の計算式

固定資産税の基本的な計算式は「課税標準額×税率」で求められます。固定資産税は、所有している土地や家屋といった固定資産の価値に応じて課税される地方税です。その価値を基に算出された「課税標準額」に、定められた「税率」を乗じることで、納税額が決定されるので理解しておきましょう。

例えば、課税標準額が1,000万円の土地と500万円の家屋を所有している場合、合計の課税標準額は1,500万円となります。これに標準税率である1.4%を乗ずると、1,500万円×1.4%=21万円となり、21万円がその年の固定資産税額だと計算できるのです。

ただし、標準税率は。財政状況などに応じて市町村が条例で異なる税率を定めることも可能です。そのため、不動産が所在する市区町村の税率を確認するようにしてください。

課税標準額の算出方法

課税標準額は、原則として固定資産税評価額と同じ額になりますが、住宅用地の特例措置などが適用される場合は評価額よりも低くなるケースがあります。

課税標準額は、税額を計算するうえで基礎となる金額です。固定資産税評価額が資産そのものの価値を示すのに対し、課税標準額は軽減措置や特例措置税負担が反映された後の金額となります。

例えば、住宅用地の場合、その面積に応じて課税標準額が減額される特例があります。固定資産税の計算においては、固定資産税評価額だけでなく、適用される特例措置を考慮した課税標準額を把握しておきましょう。

固定資産税評価額の算出方法

「固定資産評価基準」に基づき、各市町村が個別に算出するのが固定資産税評価額です。算出にあたっては、全国的に統一された基準を用いることで、市町村間で評価のばらつきが出ないようにし、公平な課税を実現しています。

また、土地と家屋それぞれについて、異なる評価方法が用いられており、評価額は3年に1度見直され、資産価値の変動が反映される仕組みになっています。

ガレージハウス特有の固定資産税評価ポイント

ガレージハウスの固定資産税を考えるうえで特に気になるのが「ガレージ部分の面積」がどのように評価されるかという点です。

ここでは、ガレージ部分が家屋と一体で評価されるのか、そしてどのような要素が評価額に影響するのか、ガレージハウス特有の評価ポイントについて解説します。ガレージハウスを検討されるのであれば、必ずチェックしておきましょう。

家屋と一体で評価される？

結論として、ビルトインガレージは、基本的に家屋の一部として一体で評価され、固定資産税の課税対象となるので理解しておきましょう。

固定資産税における家屋とは「屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの」と定義されています。

ビルトインガレージは、建物と構造的に一体であり、屋根と3方向以上の壁で囲われ、土地に定着しているため、この家屋の定義に該当します。そのため、居住スペースと同様に床面積に含まれ、評価の対象となるのが一般的です。

評価額に影響する要素

ガレージ部分を含む家屋全体の固定資産税評価額は、建物の構造、使用されている資材など、さまざまな要素によって変動します。

木造よりも鉄骨造、鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造（RC造）の方が、一般的に建築コストが高いため、評価額も高くなる傾向があります。屋根材、外壁材、内装材の種類やグレードによって評価が変わるため、ガレージ部分の仕様も評価対象であると認識しておきましょう。

ガレージハウスの評価額は、居住スペースだけでなくガレージ部分の仕様を含めた家屋全体の構造、資材、設備によって総合的に決定されます。

まとめ

この記事では、ガレージハウスの固定資産税について、固定資産税の計算方法、評価の仕組み、ガレージハウスの評価ポイントについて解説しました。結論として、ガレージハウスの固定資産税は、ビルトインガレージ部分が家屋として評価されるため、大幅に増額となることはないでしょう。しかし、ガレージ内の資材や設備によっては、増額される可能性があるので注意が必要です。ガレージハウスの建築や購入を検討する際は、固定資産税の仕組みを理解し、設計段階から税額を意識することが大切です。